東京シンヂケート総力取材 特別企画 幻のBGM「マヅルカ」
オサムちゃん・・・
「傷だらけの天使」放送以来、謎に包まれていた音楽(B.G.M.)と言えば何を差し置いてもこの一曲に尽きるでしょう。 度々ドラマの中で綾部貴子がSP盤で楽しんでいた名曲「マヅルカ」です。 1992年にVAPより発売された「傷だらけの天使 MUSIC FILE」(VPCD-80476)のライナーノーツの一説に「マレーネ・ディートリッヒのレコードだと言う説が有力・・・」と記されているが、これは全くのデマである。(確かに、市川森一の脚本の設定ではマレーネ・ディートリッヒになっているが・・・) この名曲「マヅルカ」は、岸田今日子(綾部貴子役)が、以前NHKのドラマに出演した時に使用した音楽だった。彼女は、ドラマ(傷だらけの天使)の出演シーンでこの曲を使用したいと切望し、レコードは、その時既に廃盤。日本テレビ・東宝などの音蔵にこの曲が無かった為か、岸田今日子が知人のテレビ局職員に頼んで借りに行ったと言う。(詳しくは、寺山修司作のNHKのラジオドラマに出演した時に使用した曲 現在も岸田今日子が借りたまま持っているそうです。) |
■「マヅルカ」 この「マヅルカ」は、元々同名のトーキー映画の主題歌である。戦前には日本でも公開され人々に愛された映画だった。レコードの音源は日本コロムビアが所蔵し戦前にはSP盤で発売されていた。 偶然にも戦禍を免れ殆んどの音源が戦後の財産となった。今回紹介するレコードは、1961年10月10日再び人々の前に発売になった「マヅルカ」 その時のアルバム名は「世界名画主題曲歌集 1929〜1938 The Treasury of Beloved Film Music Early Talkie Days」発売元 日本コロムビア株式会社 監修・解説 野口久光 フランス篇・ドイツ篇・アメリカ篇(LP盤3枚組)当時販売価格不明 (2003年10月インターネット上中古流通価格4000円) 採集地 北海道千歳市カートンBOX仕様の3枚組 豪華ブックレット付き なんと、奇遇な事に「傷だらけの天使」最終回にて、辰巳と海津警部が港で語り合うフランス映画 ジャン・ギャバンの「望郷」がカートンBOXの表紙を飾っている。 |
世界名画主題曲歌集
超豪華カートンボックス仕様 3枚組 フランス・ドイツ・アメリカ篇 (ブックレット付)
カートンボックスジャケット写真は「傷天」最終回で御馴染みのジャンギャバン「望郷」
マヅルカはドイツ篇に収録されています。
岸田今日子さんが持っているのもこれです。
2003年インターネットで購入 東京シンヂケート所蔵品
その後の発売は、1962年9月に日本コロムビアより「懐しのドイツ名画主題歌集」(SL-3087)¥1500で発売された。(上記3枚組のバラ売り 2003年10月インターネット上中古流通価格500円) 採集地 東京都下北沢 |
懐しのドイツ名画主題歌集
下北沢の中古レコード店で簡単にGET出来てしまった。しかも500円
3枚組のドイツ篇と同じ内容です。
2003年オンラインショッピングで購入 東京シンヂケート所蔵品
以上、紹介したレコードはいずれも野口久光氏の解説があり、その中の一部を紹介しよう。 ツィネ・アリアンツ映画/東和映画配給「マヅルカ」主題歌 ●マヅルカ 作詞 ハンス・モラー 作曲 ペーター・クロイダー ポーラ・ネグリ(歌) 伴奏 ペーター・クロイダー指揮楽団 「マズルカ」1936は、「未完成交響楽」「たそがれの維納」「ひめごと」など、ソフィスティケイトなウィーン情緒豊かな作品を次々におくり出して、独墺映画界の名匠とうたわれたウィリー・フォルストの野心的な作品でした。 フォルストは、この映画を小さな三面記事からヒントを得て、劇作家のハンス・モラーにシナリオを依頼していますが、公開当時フォルストはストーリーの発表をさし止めたりして話題を投げました。 |
■ポーラ・ネグリ ポーランドの女優トーキー映画時代の大スターでした。後に喜劇俳優で有名なチャーリー・チャップリンと出会い、婚約。しかし、2人は別れてしまいます。映画「マヅルカ」の中では、娘を誘惑しようとする男を銃殺し捕まると言う役でした。 |