暗い階段を登ると、重い鉄扉がある。鉄扉を開くとグレーの曇り空が広がる東京街並みが見える。長く暗い階段を登っていた時の緊張感が一気に吹き飛んでしまった。
廃墟と化した「天使の棲家」は瓦礫にまみれひっそりと佇んでいる。
もちろんBGMはJR山手線と中央線の合流する代々木駅の電車の車輪の音である。
(ちょっとカッコつけすぎか・・・) |
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この階段を登ると憧れの「天使の棲家」に辿り着く。逸る気持ちを抑え一段、また一段と登って行く。
鉄階段は錆びていて、踏みしめる度にゆらゆらと揺れる。ここだけ時計が止まってしまったかのように、時間がゆっくりと流れているような錯覚にとらわれた。(いや、完全に時間が止まっている。)
神代辰巳監督、工藤栄一監督、深作欣二監督、恩地日出夫監督らが、ここでメガホンを取ったかと思うと興奮する。 |
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もう、入り口は扉が外れてしまいボロボロに崩れている。 さぁ、いよいよ中に突入。
所有者が内装をリフォームしたらしく、新しい壁が取り付けられペントハウス内部は2間の和室になっていた。入り口の場所も変えられていた。
つい最近まで人の住んでいる事が確認されていたが、おそらく不法占拠に違いない。野良猫を飼っていたのかキャットフードの缶詰が散乱している。 |
中はゴミ溜である。東京都指定ゴミ袋にまとめられたゴミは最近の物と思われる。
察するに、先日の地震で壁が崩れ占拠していた者が逃げ出し、所有者が片付けに来たと言う感じだ。
玄関付近にブレーカーが粗末に繋がれているので電気は使用できるようだが、水道ガスなどは機能していないようだ。
しかし、足の踏み場も無いほどのゴミの山である。 |
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窓から望む景色も、ドラマと同じ。JR代々木駅のホームが良く見える。「傷だらけの天使」に憧れた者なら誰でも一度は訪れて見たいロケーションだろう。
この景色だけは30年以上経った今も変らないのが嬉しい。いつまでも眺めて居たくなってしまう。
窓は開けっ放しの状態だったので、そのままにしておいた。雨ざらし状態。 |
もう一つの窓、ドラマで修が小便をする窓である。老朽化が進み壁ごと天井から外れた状態で、辛うじて寄りかかっている感じである。ガムテープなどで補修されているが、間に合っていない。
外に写っているのはビルの給水設備。おそらく機能していないだろう。
変な植物が元気に育っているのが、ある意味寂しさを醸し出している。 |
誰が忘れたのか、日本刀が一本。 無造作に置かれているが、模造刀である。傷天ファンの容赦ない訪問に太刀打ちする為、住人が用意した物と思われる。
この他に「大山倍達」と「巨人の星」のLPレコードが数枚置いてある。空手道場の名残りなのか、この手のアイテムも廃墟らしさを演出している。
あまり気持ちの良い物ではないのが本音。 |
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