眉毛剃ってます。


■望郷 映画「ペペ・ル・モコ」

海津 「しかし、おまえさんもヨクヨク芝居じみたことのすきな男だネエ。 こんな場面。昔どこかで     見たようなきがするなァ」

辰巳 「・・・ペペ・ル・モコです」

海津 「そう望郷か・・・・昔新宿の武蔵野館でみたョ。退屈な映画だった」

辰巳 「僕の時代は、池袋の人生坐でした。懐かしのジャン・ギャバン週間で・・・」

海津 「ギャバンのつもりか。いい年をしておまえさんも根は可愛い男だねェ・・・」

大和書房1983年8月10日発行 市川森一著 傷だらけの天使 「祭のあとにさすらいの日々を」より

(ドラマでのセリフはシナリオと変っています。)



 最終回での海津警部と辰巳のセリフである。 この中に出てくる ペペ・ル・モコ(望郷)と言う映画であるが、海津と辰巳の2人の年齢差を現すように、海津は新宿の武蔵野館で、辰巳は池袋人生坐で懐かしのジャン・ギャバン週間の時に観ているようだ。

PEPE LE MOKO ペペ・ル・モコ 邦題「望郷」フランス映画1937年作品
  監督:ジュリアン・デヴィヴィェ


 
あらすじ
 アルジェの迷宮「カスバ」という街 ここに逃げ込めばどんな犯罪者も逮捕される事は無い。前科数百の巨盗のボス ぺぺ・ル・モコ(ジャン・ギャバン)は、そこで仲間や情婦イネスらと暮らしていた。ところがある日、パリからきたギャビー(ミレーユ・バラン)と出会い二人は、恋に落ちる。彼女と会うたびにパリへの郷愁がつのるペペ。

 刑事スリマンが2人の関係に嫉妬した情婦イネスを利用して、パリへ帰るギャビーを見送りに来ていたペペを捕らえる。港では、無情にも汽船のドラの音が響く。 ギャビーを見送りながら縛に付いたぺぺは持っていたナイフで自らの命を絶つのであった。

 海津警部の言うとおり、確かに退屈な映画と思う方もいるかも知れないが、伊達なギャバンの姿を楽しめる映画である。興味のある方は、是非一度ご覧頂きたい作品です。「傷だらけの天使」の最終回がより一層面白く感じる事でしょう。

DVDはバンダイビジュアル株式会社より発売中 「望郷」BCBF-4 5800円(日本未公開オリジナル予告編収録」98分

パイオニアLDCからもDVD発売中 「望郷」PIBF-1491 3800円 94分

特筆すべきは、綾部貴子を追ってきた海津警部に襲い掛かるシーンの辰巳(岸田森)の役作りだろう。綾部貴子への忠誠心・愛情を見事なまでに演じきっている。



ペペ・ル・モコ


カスバの帝王ペペ(写真中央)

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