■たまらん節(tamaranbusi)
作詞 作曲 萩原健一
萩原健一が撮影の辛さから自作したとされる曲だが、「傷だらけの天使」ファンに愛され続けている名曲(迷曲!?) 昨今、この曲の原曲がラッパ節とされる説が浮上してきているのでココでも紹介させて頂きます。 ラッパ節は歌詞が13番まであり、そのうちの11番がよく似ています。


■ ラッパ節 11番 (歌詞)

親亀の背中に子亀を乗せて そのまた背中に孫亀乗せて 
そのまた背中にひまごを乗せて 親亀こけたら皆こけた


■ たまらん節 (歌詞)

※たまらんたまらんたまらんぜ たまらんこけたら皆こけた (ソミドミレファ)
 たまらんたまらんたまらんぜ たまらんこけたら皆こけた (タマタマラン)
※endless repeat

( )内は、バックコーラスです。


 ラッパ節は昭和初期の大衆歌謡であると考えられます。一般に広く歌われた歌で地域によっては歌詞の内容も変っていたのではないかと推測されます。

 はたして本当に萩原健一が作った歌なのか?疑問だが、市川森一のシナリオ本には「たまらん節」の歌詞も登場しているし。第9話「ピエロに結婚行進曲を」もシナリオのタイトルは
「道化師にたまらん節を」になっていた。

「傷だらけの天使 DVD−BOX T」の特典映像で恩地日出男監督と市川森一との対談では、ショーケンが作ったと言う事になっているので、そういう事なのだろう。
(脚本も撮影とほぼ同時進行なので途中からシナリオ上でも登場するようになったと考えるべきである。)

VAPより発売のLD-BOXのブックレットの内容では、
「道化師にたまらん節を」と言うタイトルを放送時には、変えられていたと市川氏は語っている。このブックレットでは確かにショーケンがたまらん節を作った事が確認できる。

 最終回(第26話)で亨が歌う
「船頭小唄」にも似ているような気がする。船頭小唄の歌い出し部分のメロディラインは特に似ていて、「船頭小唄」がマイナー(短調)なのに対し「たまらん節」はメジャー(長調)。 船頭小唄の曲に合わせて「たまらん節」の歌詞を歌うと、不思議とピッタリなのである。 まさにこの歌は、大正時代から昭和時代中期にかけて歌い継がれた大衆歌謡を、現代にリメイクした日本人の魂が宿っている歌かも知れませんね。 

 また、日本人が最も得意とする歌い回しと歌詞の構成である。 ここで一つ皆様も実験して頂きたい。 「鉄道唱歌」か「故郷の空」(よく盲人用信号機で流れている曲)の曲とメロディで「たまらん節」の歌詞を歌ったとしても、以外にピッタリと歌えてしまうのである。そういった観点から推測するに、ショーケンが幼少時代に聞いた大衆歌謡とドラマ撮影時の苦痛が、この「たまらん節」を作り上げたと言っても過言では無いだろう。 

 労働中の憂鬱から生まれた曲や歌を、黒人音楽の世界では、「ブルース」と呼ぶ。「たまらん節」の歌詞も御多分に漏れず「ブルース」なのである。 前述したが、「たまらん節」はメジャー曲調で作られておるので、労働中の憂鬱(ブルース)を笑い飛ばすかのような、
労働者の為の民謡に位置している訳である。(漁師や農民が歌う労働歌にも通づる。)

 歌詞も非常に報われない内容である。  タマラン = たまらない。(やり場の無いフラストレーションだろうか?)
コケタラ皆コケタ = 一つの物事が駄目になり、全てが失敗に終わった。(そう解釈するべきだろうか?)

 修は、この「たまらん節」を亨と二人で歌うので、この「たまらん節」は立派な
グループ・サウンズ(G・S)であることを証明している・・・・・。話が尽きないのでこの位で失礼したいと思う(笑)。


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